家持さんの代表的な歌は?


 家持さんは、

  かささぎの 渡(わた)せる橋(はし)に 置(お)く霜(しも)
    白きを見れば 夜ぞ更(ふ)けにける

 という歌が「百人一首(ひゃくにんいっしゅ)」に選ばれています。
 しかし、この歌は「万葉集」にはありません。おそらく家持さんの歌ではないと思われます。

 家持さんが万葉集に残した代表的(だいひょうてき)な歌は、別のページにあります。
 ここでは、「越中で作った作品」の中から、代表的なものをあげておきましょう。
 まずは、伏木(ふしき)にある3つの小学校の第二校歌となっている、次の3首です。

  もののふの 八十乙女(やそおとめ)らが 汲(く)みまごう
    寺井(てらい)の上の カタカゴの花

  たまくしげ 二上山(ふたがみやま)に 鳴(な)く鳥(とり)
    声(こえ)の恋しき 時は来にけり

  磯(いそ)の上の ツママを見れば
    根(ね)を延(は)えて 年深(としふ)かからし 神(かみ)さびにけり 

 また、渋谷(しぶたに)の崎をうたった、

  馬並(うまな)めて いざ打ち行かな
    渋谷(しぶたに)の 清(きよ)き磯廻(いそみ)に 寄(よ)せる波見(なみみ)


や、松田枝浜(まつだえはま)での、

  珠洲(すず)の海に 朝開きして 漕(こ)ぎ来れば
    長浜(ながはま)の浦(うら)に 月照(つきて)りにけり


といった作品や、「立山」をとりあげた、

  立山(たちやま)の雪し 消(け)らしも
    延槻(はいつき)の 川の渡り瀬(ぜ) 鐙(あぶみ)(つ)かすも


砺波の雄神川では、

  雄神川(おがみがわ) 紅(くれない)におう おとめらし
    葦付(あしつき)取ると 瀬に立たすらし


 などと歌っています。これ以外にも、たくさんの歌があります。ぜひ調べてみてください。


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