高岡市太田

高岡市太田地区は,伝説の豊富な土地である.東北へ逃げ落ちる義経弁慶主従の物語を筆頭に, 各時代の伝説があるが,ここで触れるべきは「朝日山観音出現」の話であろう.

高岡の隣りの氷見市でもっとも古い寺は,天武9年(681)創建と伝える「上日寺(じょうにちじ)」である.
真言宗のこの寺の本尊は,「朝日山観音」と呼ばれる黄金の千手観音像で,氷見市加納の「タイマ」という男が太田の浜を通り かかった時に,この観音さまに呼び止められ,氷見で一番早く朝日の射す朝日山に納めたというのである.


皮膚病によく効くという太田の湯から300mほど手前に,この歌碑は立っている.高岡前市長堀健治の筆によるもので, 万葉集巻16に収められた,「越中国歌四首」の二首目,

  渋谿の 二上山に 鷲ぞ子産むとふ
    翳にも 君が御為に 鷲ぞ子産とふ 3882番歌

である.