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大伴家持自署のある太政官符
(国指定重要文化財の複製)
大伴家持自署のある太政官符(国指定重要文化財の複製)の画像
 

 「太政官符」とは、太政官から管轄下の役所や諸国などに下した公文書のことをいいます。「太政官」は、律令にもとづく官制における行政の最高機関のことで、太政大臣、左右大臣、大納言以下で構成されており、事務局として、少納言局・左右弁官局を付属させ、八省以下を統轄しつつ政務を処理していました。(→太政官の官制表の図)

 奈良時代の太政官符の原本として、現在までに知られているものは、全国で4点しかありません。そのうち2点が大伴家持の署名のある太政官符で、原本は石川県の個人所有となっており、国の重要文化財に指定されています。当館はその2点の写真複製を所蔵しています。

 「太政官符」は弁官(朝廷で文書を取り扱う係)と史(朝廷の記録係)が責任者として出し、その署名が日付の前の行に記されているのが特徴です。残念なことに家持の自筆部分は署名だけなのです。