カテゴリー別アーカイブ: 学会

第36回萬葉語文研究会研修旅行

IMGP8042

  万葉語文研究会の翌日はオプショナルバスツアーで万葉故地をめぐりました。案内は、歴史館が誇る歩く古代越中地図、関隆司主任研究員。今日のため、念入りに下見しての登場です。はじめは射水市方面。三島野と推定されるあたりを走ってから、竹内源三記念館・射水市埋蔵文化財センターへ行きました。墨書土器や鏝絵を見学。

IMGP8038

 

 

続いて射水市新湊博物館に収められている「石黒信由関係資料」ゆかりの高木村の石黒信由顕彰碑のある公園へ。

IMGP8043

IMGP8047

IMGP8054

 その後、雨が強まり、雷も鳴る中、バスは氷見市へ向かい、田子浦藤波神社へ。社殿裏の歌碑も見学しました。

 すぐ近くにある柳田布尾山古墳にも寄ってから、布勢の円山を目指しました。

 

 

IMGP8062

IMGP8064

布勢の円山の上で、「大伴家持卿遊覧之地碑」。

やっぱり雨がやまないので、それから氷見市立博物館を見学し、氷見のまる甚で刺身定食をいただきました。その頃から、天気が回復してきました。

昼食後は、須加野推定地を通り、福岡町経由で小矢部方面へ。

IMGP8068

小矢部ふるさと歴史館・考古資料館。

迫力ある木造建築物の柱など、桜町遺跡出土遺物を見学。

小矢部で越中に別れを告げ、一行は高速道路で石川県に向かいます。

IMGP8069

金沢市ではチカモリ遺跡の金沢市新保本町埋蔵文化財収蔵庫を見学。水槽の水に浸かった出土物には驚きました。富山県の人間はどうしても埋没林博物館を思い出します。

 

 

IMGP8071今回の石川県ツアーでは、意外と遺跡公園が多いのにも驚かされました。しっかり遺物が保存され、復元建物が維持管理されています。しかも展示館は無料。

チカモリ遺跡のあとの、高荒屋遺跡にしても立派な建物が復元されています。

IMGP8073

IMGP8074

 

 

 

 

IMGP8077IMGP8083

最後の見学地は、御経塚遺跡・野々市市ふるさと歴史館。この復元された住居に、15人くらい入って、説明を聞きました。中はわりと広いのでしょうか。

IMGP8088

 

皆さんで記念撮影。

最後は晴れて、新緑も美しく、さわやかな天候でした。良かった!

御参加くださり、誠にありがとうございました。

 

 

〈行程〉

高岡駅南口‐「越中国射水郡鹿田村」推定地‐藤巻神明宮(万葉歌碑・三嶋野神社遙拝)‐赤田遺跡‐竹内源造記念館(草仮字墨書土器)‐石黒信由顕彰碑‐北高木遺跡(出挙木簡デザイン欄干)‐田子浦藤波神社(万葉歌碑)‐ヴィラージュ泉の杜中央公園(万葉歌碑)‐柳田布尾山古墳展望館‐「古江郷」推定地‐布勢の円山(布勢神社・御影社)‐氷見市立博物館‐昼食(まる甚)‐「越中国射水郡須加村」推定地(須加山)‐須加野社地址碑‐桜町遺跡‐桜町JOMONパーク(環状木柱列・高床式建物)‐小矢部ふるさと歴史館‐道林寺遺跡(砺波郡家推定地)‐小矢部ICー北陸自動車道ー金沢西IC‐チカモリ遺跡・金沢市新保本町埋蔵文化財収蔵庫‐高荒屋遺跡‐東大寺領横江荘荘家跡‐御経塚遺跡・野々市市ふるさと歴史館‐金沢駅


第36回萬葉語文研究会

  • 〈史料紹介〉射水市新湊博物館蔵石黒信由制作絵図・勝興寺蔵田中大秀関連史料について  田中夏陽子
  • 「放逸する鷹を思ひ、夢に見て感悦して作る歌」   花井しおり
  • 人麻呂歌集「寄物陳思」歌二首の解釈―巻十一・二四五六番、二四五七番―   大島信生

萬葉語文研究会が高岡市万葉歴史館講義室を会場に開催されました。

歴史館では、前身の万葉有志研究会の最後の例会が行われましたが、萬葉語文研究会としては初めての開催です。

午後2時から5時半、上記3名の方の発表が行われ、活発な質疑応答がありました。

IMGP8021

田中研究員は石黒信由や田中大秀の史料について報告。

 

 

 

IMGP8024

花井しおり先生は、家持の鷹の歌について御発表。

 

 

 

IMGP8037

大島信生先生は人麻呂寄物陳思歌について御発表。

 

 

 

IMGP8022関西や東京から多数の研究者の方々がお集まりくださり、学習講座の受講生の方も聴講に来て下さいました。


古事記学会大会臨地研修(2011.06.20)

 古事記学会大会3日目、臨地研修のバスツアーを行いました。
千里浜の大伴家持歌碑

千里浜の大伴家持歌碑。

 当日の千里浜は、快晴で、大伴家持の歌のごとく朝凪して静かで美しい海辺でした。写真を取り忘れたのが悔やまれます。 

羽咋の唐戸山相撲場

羽咋の唐戸山相撲場。ここの土が古墳に盛られたそうな。

羽咋高校の折口信夫の校歌歌碑

羽咋高校の折口信夫の校歌歌碑。直筆を刻んである。

吉崎次場遺跡

吉崎次場遺跡。竪穴住居の中は思いのほか涼しい。

気多大社の「入らずの森」入り口

気多大社の「入らずの森」入り口。中には天皇も入ったことがないそうだ。

折口博士父子の墓

折口博士父子の墓。岡野弘彦先生の歌碑もあります。

昼食。羽咋の郷土料理です

昼食。羽咋の郷土料理。

JR七尾線金丸駅の北西300mほどに鎮座する鎌宮諏訪神社

JR七尾線金丸駅の北西300mほどに鎮座する鎌宮諏訪神社

鎌打ち神事が行われるタブノキ

鎌打ち神事が行われるタブノキ。鴻巣盛広『北陸万葉集古蹟研究』の口絵にでてきます。

崇神天皇の皇子である大入杵命(おおいりきねのみこと)の墓・親王塚古墳

崇神天皇の皇子である大入杵命(おおいりきねのみこと)の墓・親王塚古墳

石川県鹿島郡中能登町(旧鹿西町)の雨の宮古墳群

中能登町(旧鹿西町)の雨の宮古墳群。墳頂で飲んだ高岡の水はおいしかった。

院内勅使塚古墳の前で記念撮影

院内勅使塚古墳の前で記念撮影

といった感じで、下記のように、関主任研究員の名ガイドで、10年かけて練り上げた古事記学会らしいマニアックな行程でした。

 高岡駅南口
  東木津遺跡  
  荊波神社   
  高岡IC
  柳田布尾山古墳
  家持の駒繋ぎ桜   
  伝小窪廃寺跡 
  小久米神社  
  古墳公園   
  志乎神社   
 なぎさドライブウェイ
 千里浜大伴家持歌碑 
 唐戸山相撲場    
  羽咋神社      
 羽咋高校     
 吉崎次場遺跡    
 気多大社      
 折口博士父子の墓  
    昼食   
  羽咋駅前 
 親王塚  
 雨の宮能登王墓の館   
 院内勅使塚古墳     
 歴史館         
 高岡駅南口       


平成23年度 古事記学会大会

6月18・19日の二日間にわたって、高岡市生涯学習センター4Fホールで今年度の古事記学会大会が行われました。

一日目は公開講演会。お二人の先生にご講演いただきました。

塚口先生

塚口義信氏(堺女子短期大学名誉学長)
「『古事記』の書名と三巻構成の意味するもの―古代史像構築のための一提案―」

藤井先生

藤井一二氏(富山国際大学客員教授)
「高志国の成立と展開」

2日目は研究発表会。7名の先生方が研究成果を発表されました。

研究発表会

○研究発表会 午前10時~午後4時30分
  午前の部 (午前10時~午後12時10分)
   『古事記』豊玉毘売と火遠理命の贈答歌について
           東京大学大学院生 馬場小百合氏

    建御雷之男神の機能           
           鹿児島工業高等専門学校講師 田中智樹氏

    大国主神の「亦名」記載の意義           
           國學院大學准教授 谷口雅博氏

  午後の部 (午後1時30分~午後4時30分)
   『日本書紀』崇神紀が語る祭祀の「歴史」―『漢書』成帝紀との比較から―
           白百合女子大学非常勤講師 山田 純氏

   古事記「凶醜」の訓み           
           愛知県立大学非常勤講師 大脇由紀子氏

   タケミカヅチと藤原氏
           早稲田大学非常勤講師 工藤 浩氏

   郡郷里名二字表記化の方法について
           群馬県立女子大学教授 北川和秀氏

多数の御来場、ありがとうございました。20日は臨地研究で能登方面をまわります。
来年は古事記撰進1300年を記念し、奈良市で開催されます。


第63回萬葉学会全国大会‐臨地調査研究2日目

臨地調査研究の2日目は波瀾の幕開け。

立山室堂平まで行って散策の予定が、雨のためアルペンルートが通行止め。前日からの冷え込みで、山上では雪景色が見られるかもとの期待も高まっていただけに残念でした。結局、芦峅寺(あしくらじ)の集落にある教算坊や立山博物館の遙望館・展示館を満喫することになりました。

教算坊庭園

教算坊の庭園で秋の庭を楽しみ、中に入って曼荼羅についても解説していただきました。

教算坊

布橋

閻魔堂を経て布橋を渡って遙望館に行きました。

立山博物館の展示館では秋季企画展『立山・白山・富士山 みつの山めぐり-霊山巡礼の旅「三禅定」-』が開催されており、常設展示から企画展まで、学芸員の加藤基樹氏にとても詳しい解説をしていただきました。予定よりも早い到着となったため開館を早めていただくなどご配慮いただきました。まことにありがとうございました。立山に登ることは出来ませんでしたが、山の麓で十分に予習をしましたから、参加者の皆様には次を期してまた登りに来ていただければと思います。

岩瀬浜

昼食はANA クラウンプラザホテルでのバイキングに変更になり、その後、岩瀬浜へ。

海が近いため強風が吹く中、満寿泉(ますいずみ)で有名な枡田酒造店や三角どら焼きの大塚屋でおみやげを買い求めてから、最後の歌碑見学へ。

岩瀬野歌碑

諏訪神社の「石瀬野に秋萩しのぎ馬並めて初鷹狩だにせずや別れむ」の県内最古の歌碑を見学。これで県内最大と県内最古を見ることが出来ました。

ここから富山駅前まで行き、少し早めの解散となりました。天候には恵まれませんでしたが、その分いろいろなところでお話をうかがうことができました。(歴史館が誇る歩く越中歴史地図・関隆司研究員のバスでの解説はこれまでで最高のパフォーマンスであったと自負しております。越中万葉故地の案内が必要な際は是非ご用命下さい。)

参加者の皆様、ありがとうございました。