
いにしえより日本人の心を引き寄せてやまない桜──。
万葉集にみられる桜の歌を紹介しながら、その美しい歌世界と桜の持つ文化的背景を、桜の季節に合わせ、庭園で咲く桜と共に楽しんでいただけたらと思います。
ここでは、少し展示内容についてご紹介しましょう。
最初のコーナーでは、現代の桜と古代の桜、万葉の桜について。現代の桜の代表格ソメイヨシノと古代の野生種とでは、鑑賞の仕方や、歌の詠まれ方も違ってきます。
次のコーナーでは、日本神話にみられる桜について。コノハナサクヤヒメには、実はコノハナチルヒメという妹もいます。二人に共通するものとは…。鈴木靖将先生の「咲きて散りなば」は、梅から桜に替わっていく春の様子を女性に見立てた作品ですが、ここでは、二人の女神をイメージしています。また、桜の熱愛家である本居宣長の桜に関するエピソードや、富山県が産んだ偉大な国語学者山田孝雄の『櫻史(おうし)』の初期装丁本も高岡市立中央図書館から貸していただきました。また、今年は古事記編纂1300年ということで、国宝真福寺本古事記の複製など、古事記・日本書紀のテキスト類もあわせて展示しています。
ベンチの前の廊下では、越中万葉にみられる桜について。大伴家持は桜に関する歌を部下の大伴池主とやりとりしたのですが、今回の展示では、大伴池主についてクローズアップしました。家持にとって池主は、どんな部下だったのでしょうか。
「越中万葉の仲間たち」http://www.manreki.com/arekore/nakama/nakama.html」のツイッターの「いけぬし君 @ikenushi 」を通じて、少し作為的なところもありますが(笑)、いくつか歌を紹介しました。ご興味がある方は、その過去ログを御覧下さい。http://twilog.org/ikenushi
奥の回廊では、歴史館に咲く桜の品種について紹介。1種類の品種だと、すぐに盛りが終わってしまうので、高岡市万葉歴史館では、野生種など数種類の品種を見ることができます。今年の春先は寒くて、桜の開花が非常に遅れましたが、咲き始めたらあっというまに満開になりました。今は、遅咲きのカスミザクラが満開です。詳しくは、「越中万葉の仲間たち」http://www.manreki.com/arekore/nakama/nakama.html」の「おおいらつめちゃん @oiratsume 過去ログhttp://twilog.org/oiratsume」が庭園情報担当ですので、フォローいただけるとうれしいです。
今週末は、屋上庭園の桜が最後の見頃かと思います。屋上庭園の林の中ではまだかたかご(カタクリ)も咲いていますので、ぜひ御来館ください。
※この展示のために制作しました万葉集や古事記に関する桜のパネルにつきましては、貸出を検討しています。お気軽に御相談ください。
研究員による展示解説
4月7日(土)午前10時
4月7日(土)午後3時
4月14日(土)午後4時
4月29日(日)午後4時
5月2日(水)午前10時