カテゴリー別アーカイブ: 講演会

秋季セミナー「聖武天皇の時代2」

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11月25日(日)、立山連峰もはっきりと見える秋晴れのもと、午後からたくさんの方々にご参加いただき、恒例の秋季セミナーを行いました。

本日は、「聖武天皇の時代2」。第1講は、影山尚之先生(武庫川女子大学教授・園田学園女子大学名誉教授)による「聖武天皇と萬葉の和歌」。万葉集と聖武天皇の関わりについて、お話しいただきました。

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続いて第2講は、毛利正守先生(皇學館大学教授・大阪市立大学名誉教授)。「聖武天皇の時代にみる文章の特色─文体の面から─」と題して、この時代の倭文体の特色についてお話下さいました。

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当日は我らが晴れ男、坂本館長も驚くほどの美しい青空。影山先生によると、毛利正守先生が強力な晴れ男でいらっしゃるとのことでした。


高岡万葉夏季セミナー「聖武天皇の時代1」第2日

夏期セミナーの2日目。この7月6日に開館した高志の国文学館(富山市)の初代館長、中西進先生にお越しいただきました。「無辺際の夢─聖武天皇の生涯─」と題してお話しいただきました。無辺際の夢-聖武天皇の生涯を表現されたすばらしいタイトルにまず感動します。

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本日も昨日に引き続き、たくさんの方にご参加いただいています。

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第4講は「正倉院宝物にみる聖武天皇の時代」。宮内庁正倉院事務所長の杉本 一樹先生です。現在展示中の模造宝物にも言及していただき、夏の特別展示「造られた正倉院宝物」の担当者は感慨一入でした。

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スクリーンに映されているのは、現在の正倉院。すっかり覆われてしまっているのですね。IMGP8971

お昼からの最終、第5講は針原 孝之先生(二松学舎大学名誉教授)による「聖武天皇と家持」。高岡市出身の先生に、家持にとっての聖武天皇についてお話しいただきました。

おかげさまで、夏期セミナーは盛況のうちに終了しました。受講いただいた皆様、講師の先生方、まことにありがとうございました。

秋季セミナー「聖武天皇の時代2」は、11月25日(日)です。影山尚之先生(武庫川女子大学教授)、毛利正守先生(皇學館大学教授)のお二人にお話しいただきます。ご来聴お待ちしています。


高岡万葉夏季セミナー「聖武天皇の時代1」第1日

 

今年度のセミナーは、夏の特別展示「造られた正倉院宝物」の会期中ということもあり、聖武天皇をテーマとしました。

第1講は、松尾 光先生(奈良県立万葉文化館名誉研究員・早稲田大学非常勤講師)による「天平という時代」。松尾先生は歴史館の元学芸課長。十数年ぶりに帰ってきていただきました。常連の方には、懐かしい思いをもって聞いていただいたのではないでしょうか。

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第2講は「聖武の伊勢行幸と関宮について」、元斎宮歴史博物館学芸課長の田阪 仁先生。地元で研究を続けてこられたからこその、関宮の有力候補地についても説かれました。IMGP8952

どちらも平成初期に開館した歴史系博物館の学芸課長として活躍されてきた先生お二人をお迎えすることができたのは、歴史館員としてたいへんありがたく、うれしく思いました。

この2日間の先生方の講演のご様子は、すべて同じ方向からお撮りすることになってしまいました。100名を超える方に参加いただき、講義室内を移動することができなかったからです。これもまた、ありがたいことです。


記念講演会「正倉院模造宝物と吉田包春」

夏の特別展示「造られた正倉院宝物─奈良女子大学所倉院模造宝物の世界─」の記念講演会「正倉院模造宝物と吉田包春」を開催しました。
奈良女子大学古代学学術研究センター特任教授の松尾良樹先生に御講演いただきました。

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吉田包春製作の正倉院模造宝物が奈良女子高師におさめられたいきさつや、松尾先生と吉田家との御縁など、今回の展示を見る上でとても興味深いお話でした。

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やっぱり奈良にはたくさんのすばらしいものが残されているんですね。お話を聞いていて、奈良がなつかしくなりました。

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たくさんの方にお越しいただきました。御来聴ありがとうございました。


造られた正倉院宝物-奈良女子大学所蔵正倉院模造宝物の世界-

 平成24年度夏の特別企画展「造られた正倉院宝物-奈良女子大学所蔵正倉院模造宝物の世界-」(共催 北日本新聞社)が、7月25日(水)からはじまりました。

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大正末から昭和初期にかけて正倉院宝物の修理と模造製作にたずさわった工芸家吉田包春(よしだ・ほうしゅん)の作品を中心に、正倉院関連の品々を45点展示しています。

籠箱(こばこ)

ふたには紗(うすぎぬ)が張られています。

いったい何を入れていたのでしょう?

正倉院宝物の当初あった姿を推定して造る復元模造の作品を展示しています。

 

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金銀彩絵平卓(きんぎんさいえのひらじょく)

背の低いテーブルのようなものです。

樹木の生えた山に、たくさんの鳥たちがとんでいます。IMGP8481

密陀絵盆(みつだえのぼん)の山水絵図をもとに描いた屏風です。外枠には天平古材が用いられています。

IMGP8499忍冬唐草鳳凰文小唐櫃
(にんどうからくさほうおうもんのこからびつ)

海老錠もついています。

上の面では鳳凰がとびまわっています。

 

IMGP8494東大寺山堺四至図の模写本
(とうだいじさんかいしいしず)

高さ3mほど。でかいです。

関主任研究員の説明を聞く案内担当職員。
お客様をお迎えするために、猛勉強中です。
「案内は私たちにお任せ下さい!」

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正倉院古裂絵巻(しょうそういんこぎれえまき)

正倉院に伝えられる端布などの文様を色あざやかに写しています。長いので全部お見せできないのが残念。

 

 

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桑木阮咸捍撥図
(くわのきのげんかんかんばちのず)

正倉院には阮咸(げんかん)という楽器があります。「竹林の七賢」の1人で、琵琶が得意だった阮咸の名前がついた楽器です。その弦を撥でたたく部分に張られた皮に描かれた絵を復元模写した図です。今回のちらしにも用いました。

隠士が3人で、碁を囲んでいます。投壺(とうこ) や如意(にょい)といった調度も描かれています。

聖武天皇、光明皇后が手に取り、身のまわりに置いていた品々。家持たち天平びとがあこがれた世界につながる名品をお楽しみ下さい。

 

 

奈良女子大学所蔵の正倉院模造宝物22点と、当館蔵の正倉院宝物複製23点を公開しています。

暑い夏、歴史館は冷房も入っているので、涼みに来て下さい。(回廊とか、あまり冷えていないところもありますが・・・。)

こちらを見てから、秋の奈良で開催される正倉院展にいらっしゃるとより楽しめると思います。

会期は8月27日(月)まで。

7月28日(土)には、1時30分から記念講演会があります。
「正倉院模造宝物と吉田包春」
松尾良樹氏(奈良女子大学古代学学術研究センター特任教授)
奈良漆器の工芸作家吉田包春の正倉院模造宝物の製作についてお話いただきます。

記念講演会は7月26日現在、お席にまだ余裕がありますので、ぜひご来聴下さい。予約もできます。(電話:高岡市万葉歴史館0766-44-5511)

また今回、北日本新聞社との共催により会期中の毎週水曜日に、北日本新聞朝刊に坂本館長が寄稿した展示品紹介の記事が掲載されます。そちらもお見逃しなく。