うたを撮る―大伴家持に捧ぐ 宮澤正樹の世界―


和紙軸装

 万葉歴史館にもようやく春の花が咲きそろいました。 庭園の花の季節にあわせて、今年度の春の特別企画展は歌に詠まれた植物の写真展を開催します。ゴールデンウィーク期間中の御来館をお待ちしています。

額装かたかご等

平成22年 春の特別企画展は、『うたを撮る―家持に捧ぐ 宮澤正樹の世界』と題して、宮澤正樹氏の作品をご紹介します。
 宮澤氏は「万葉時代に差した光を再現したい」という思いを持って、万葉故地や万葉植物の写真を精力的に撮影され、すでに個展も開かれています。
 そのような 氏の作品作りにとって聖典となる『万葉集』は、現存最古の和歌集です。いつ誰が編さんしたのか不明ですが、大伴家持の存在が大きく関わっていることは間違いありません。現在私たちが『万葉集』に親しみ、はるか古代の人々の思いを知ることができるのは、家持のおかげなのです。副題に「家持に捧ぐ」とあるのは、そのためです。
 万葉時代に差した光を再現しようと努力する宮澤氏は、デジタルカメラを使わず、現在も従来通りのフィルムを使用した撮影をおこなっていますが、さまざまな和紙へのプリントを試みて、新たな表現方法を模索されています。今回の展示では、従来の印画紙を使用した写真だけではなく、桐生和紙などを使ってさまざまに表現した、意欲的な作品もご覧ください。

表装軸 

万葉集だけでなく近代歌人に詠まれた植物も紹介しています。

〈主な展示作品〉 

表装掛軸「山桜」「竹」「馬酔木」

和紙掛軸「さきくさ」「藤」「かきつはた」「萩」

額装「二上山」「筑波山」「榛名山」「富士山」「月」

パネル(和紙台紙)「椿」「卯の花」「橘」「紫」「ひめゆり」「はまゆう」「黄葉」
 

〈宮澤正樹(みやざわ・まさき) 略歴

昭和11年(1936)東京生まれ。現在は群馬県太田市に在住。万葉植物写真研究会主宰。
 40年にもわたる登山経験の中で山岳写真を撮り続け、10年ほど前より『万葉集』に関係する写真を撮影し始める。日本各地の万葉の故地や植物を訪ね、古代の風土や貴重な花々をカメラに収め、群馬県内各地で個展を開催し、各方面から注目を集めている。
 氏が撮影した群馬県内のさまざまな光彩は、群馬県立土屋文明記念文学館紀要の表紙を毎号飾っている。
 近年は、デジタル化の波をものともせず、フィルム撮影にこだわり続け、写真印刷に和紙を用いるなど、新しい表現方法を追求している。

〈万葉植物掛け軸の販売〉 

会期中、和紙掛け軸表装写真の販売も行われます。和紙の風合いを活かした掛け軸に、見本帳からお気に入りの植物写真を選んでいただき作成するオーダーメード生産です。

〈会期〉 

4月21日(水)?5月10日(月)
期間中の休館日 4月27日(火)・5月6日(木)
開館時間 午前9時?午後6時
※入館は閉館の45分前まで
入館料 一般210円 中学生以下無料