つなし捕る氷見の江過ぎて


このしろ
今日は休館日。伏木矢田から小矢部川を渡ったところにあるスーパー、バロー高岡万葉店に行ったら、氷見港産のこのしろが売っていました。大伴家持が逃げた鷹を惜しんで作った歌に「つなし捕る氷見の江過ぎて」と歌われる「つなし」が「このしろ」とされます。汽水域に生息するそうなので、布勢の水海があったころには今以上にたくさん捕れたのでしょう。酢漬けにして食べるのがおいしいらしいです。とても安いからでしょうか、寒ブリとちがってまったく目立ちませんが、今に残る数少ない「万葉の味覚」です。氷見で食べさせてくれるお寿司屋さんがあるといいのですが…。氷見の道の駅海鮮館の海側に、大きな歌碑も建っています。

つなし(都奈之・つなし)
 コノシロとされる。コノシロは体調二〇~三〇ぐらいになる魚。成長するに従い名前もかわり、幼魚をつなし、小型魚をこはだ、大型魚をこのしろと呼ぶ。近海魚で瀬は黒く、肩部に斑点があり、腹は白い。食用。越中万葉歌に見えるのが万葉集の唯一例。逃げた鷹の歌に氷見の江で捕る魚として詠まれる。

http://katakago.info/html/modules/animals/index.php/photo/25/

放逸せし鷹を思ひ、夢に見て感悦して作る歌
(逃げ去った鷹を思い、夢に見て感激して作った歌)

…娘子らが 夢に告ぐらく 汝が恋ふる その秀つ鷹は 麻都太要の 浜行き暮らし つなし捕る 氷見の江過ぎて 多胡の島 飛びたもとほり 葦鴨の 集く古江に…
(…少女が夢にあらわれて、こう告げてくれた。「あなたが待ちこがれるそのすぐれた鷹は、麻都太要の浜を一日中飛びつづけ、つなし漁をする氷見の江を通り過ぎて、多胡の島あたりをぐるぐる回り、葦鴨の群れている旧江に、…)(巻十七・4011)

つなし捕る歌碑