博物館実習を終えて2


 8月17日から一週間、高岡市万葉歴史館で博物館学芸員の実習をさせていただきました。照明の取り付け中

実習では、博物館の運営・経営に関わること、資料の収集保存・展示・教育普及活動など、学芸員の行う多岐にわたる仕事について教えていただきました。実際に、展示替えやキャプション作成、貴重な所蔵品が収められている収蔵庫や書庫の整理、夏季セミナーの受付をさせていただきました。その他にも、博物館の広報の在り方を教えていただき、最新機器を活用したツイッター・ツイキャス等による情報発信を体験させていただきました。

 様々な体験の中でも、展示替えとキャプション作成から、非常に多くのことを学びました。展示替えでは、動線や視線を意識した展示品の設置方法や照明の当て方を学び、展示の背景に、来館される方々への細やかな配慮をもって成される緻密な作業があることを知りました。また、移動展示に関するキャプションを作成させていただいたことによって、教育普及のために博物館で行われる公開講座や刊行物の充実だけではなく、小学校への出張講演や中学校・高等学校、万葉故地への移動展示など、様々な普及方法の工夫が成されていることを学びました。高岡市の「万葉のふるさとづくり」と関わり、地域の中で博物館の果たす役割が、いかに大きなものであるか実感することができました。

 実習期間中には夏季セミナーも行われ、全国から集まった方々が熱心に受講されている場も見学することができました。中には声をかけて下さる受講者の方もいらっしゃり、講演会を通して全国的な万葉集愛好者同士の交流もできるのだ、というお話を伺うこともできました。

実習生としての毎日は、新たな発見と学びの連続で、一週間という実習期間がとても短く感じられました。この実習を通して、博物館への新たな視点を得られたように思います。多くの貴重な体験をさせていただけたことは、得難い経験となりました。

               (日本女子大学文学研究科日本文学専攻博士課程前期2年 Yさん)