はじめに
「日本海」という語は、『万葉集』に見えない。しかし、歌われた日本海沿岸の「海」のつく地名を拾い上げてみると、「石見の海」(巻二・131など)、「飫宇の海」(巻三・371など)という島根県の海や、「三方の海」(巻七・1177)という福井県の海もあるが「奈呉の海」(巻十七・3989など)、「布勢の海」(巻十七・3991など)、「羽咋の海」(巻十七・4025)、「珠洲の海」(巻十七・4029)というように、大半は大伴家持が国守として赴任していた越中国(いまの富山県と石川県の能登地方)の「海」に集中する。
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▲ 展示風景 |