越中の国をこよなく愛した国守大伴家持。
万葉集には、家持がこの地で詠んだ秀歌が数多く残されている。
ここ高岡では万葉が今も息吹き、人々の心を潤している。
神の創られたこの美しい越の自然を、いつまでも讃えていきたい。
− 佐竹清 −
佐竹清 氏 略歴
昭和26年 棟方志功に師事
昭和36年 日本版画会会員推挙
昭和57年 日本版画会展審査員
昭和58年 万葉の歌によせる版画個展 以後連続開催
平成3年 自宅庭に土蔵造りの「万葉版画館」を開館
平成10年 画集「古稀記念 佐竹 清版画」発刊
昭和59年の「越中万葉のふるさと高岡 高岡八景」にはじまり、「越中万葉史跡」「越中万葉史跡
国府八景」(昭和60年)、「越中万葉の四季」「越中万葉のふるさと」(平成2年)など、佐竹氏は越中万葉の世界を題材とした版画はがきを数多く制作されてきた。
●堅香子
もののふの 八十をとめらが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花 (巻十九・四一四三 大伴家持)
●渋谿の崎
渋谿の 崎の荒磯に 寄する波 いやしくしくに 古思ほゆ (巻十七・三九八六 大伴家持)
●梅の花
梅の花 咲き散る園に われ行かむ 君が使ひを 片待ちがてら (巻十八・四〇四一 田辺福麻呂)
●二上山
玉くしげ 二上山に 鳴く鳥の 声の恋しき 時は来にけり (巻十七・三九八七 大伴家持)
●射水川
朝床に 聞けば遙けし 射水川 朝漕ぎしつつ 唱ふ舟人 (巻十九・四一五〇 大伴家持)
●立山
立山に 降り置ける雪を 常夏に 見れども飽かず 神からならし (巻十七・四〇〇一 大伴家持)
●馬並めて
馬並めて いざうち行かな 渋谿の 清き磯みに 寄する波見に (巻十七・三九五四 大伴家持)