近藤芳竹「春過ぎて」(新作) |
近藤芳竹の書の魅力はその品格の高さにある。運筆の緩急、墨の濃淡、字配りなどすべてが必然性をもって構築され、その張り詰めた空間処理のみごとさは禅寺の石庭を思わせる。だからといって冷厳かというとそうではない。むしろ温かい調和の世界を感じさせる。これはこの書家の温和な人柄によるものであろう。 書作品として氏が手がける素材は実に幅広い。しかし、どちらかといえば王朝風の典雅な和歌か、現代のものでも伝統的詩型である短歌、俳句が多い。 このたびはそれらの作品から万葉歌のこころを追求した作品を選んで特別展を企画した。近藤芳竹のかな書の魅力に触れていただき、併せて選びぬかれた料紙・表装の美しさを味わっていただきたい。 ※主な展示作品 |
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平成15年4月23日(水)〜5月15日(木)
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■ 開館時間 午前9時〜午後6時 (入館は午後5時15分まで) ■ 期間中の休館日 5月6日(火)・13日(火) ■ 観覧料 一般…210円 中学生以下…無料 65歳以上…160円 団体(20人以上)…160円 ※会期中に展示替えがあります。 高岡市万葉歴史館 〒933-0116 富山県高岡市伏木一宮1−11−11 電話 0766-44-5511 FAX 0766-44-7335 E-mail:manreki@office.city.takaoka.toyama.jp URL:http://www.manreki.com |
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■ 記念講演会 ■ |
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『万葉集』が出来た当時は、漢字の音と訓のはたらきを応用して書き表していたが、平安中期の頃に漢字を羅列した『万葉集』が読めなくなったために、その短歌の部分に簡略な仮名の読みが付けられた。それまでの『万葉集』の文字は男手(万葉仮名)といい、新たに加えられた仮名は女手(平仮名)と呼ぶ。王朝の美意識がにじむ華麗な料紙とともに、『万葉集』の古筆に展開するこの男手と女手の美の競演を味わってみたい。 古谷稔(ふるや・みのる)プロフィール 1941年東京生まれ。東京学芸大学書道科卒。東京国立博物館学芸部書跡室長・美術課長を歴任。現在、大東文化大学文学部書道学科教授。書学書道史学会常任理事・国内局長など。 主な著書:『平安時代の書』(日本の美術No.180、至文堂)、『かなの鑑賞基礎知識』(至文堂)など多数。 |
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