(巻19−4159・大伴家持)
磯の上に立つつままを見ると、根を岩にしっかりおろしていて、何年も年を経ているらしい。なんと神々しいことか。
近年「つまま」と読まれるようになり、一般的にはタブノキのこととされました。
タブノキは暖地性の常葉木のことですが、地域によってはタモノキと呼ばれてもいます。
高岡の隣り氷見(ひみ)では、神社の神木として古く大きなタブノキが祀られて
いたり、確かにタブノキは「神さぶ」巨木となります。
しかし、「ツママ」などという木は、この歌以外のどんな文献にも出て来ません。
そこで、本来は「都麻麻都」など のような文字で「つま松(妻待つ)」ではないのだろうかという説も、高岡にはあるのです。
果たして家持が見た「都麻々」は、どんな木だったのでしょうか。