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〈特別展示室〉「山口千代子万葉衣装コレクション~万葉の歌世界とともに~」令和5年3月12日(日)まで
2022年10月30日展示・イベント・講座
高岡市万葉歴史館では、これまで山口氏制作の多くの万葉衣装を所蔵してきましたが、このたび正倉院宝物オマージュ作品を中心に、多数の作品の寄贈を受けましたので、「山口千代子万葉衣装コレクション」として随時公開していきます。
山口千代子万葉衣装コレクション
山口千代子氏は、自宅で洋裁教室を開くかたわら、奈良国立博物館で解説ボランティアを勤めたことがきっかけで、正倉院宝物の服飾に魅せられ、古代衣装の制作や講演活動を続けている古代衣装制作の第一人者です。
古代衣装の完全復原が現実問題として困難の中、山口先生は、時代考証を取り入れつつ、もともとお持ちだった洋裁技術に、リサイクル着物や帯、大河ドラマなどで使用される最新技術で織られた高級織物を利用し、振り袖を着る感覚で着て楽しめる古代衣装を考案・創作されました。
そうした山口氏の衣装は、青森から福岡に至る日本各地で、講演や衣装行列、公立博物館等での展示やファッションショーで発表され、特に平城宮跡でおこなわれる天平祭の衣装行列では、500人分の衣装を製作されておられます。平成29年には、大伴家持生誕1300年を記念して高岡市をはじめ金沢・越前・東京で上演された、大河ドラマ脚本家の竹山洋脚本、和泉元彌主演の演劇「大伴家持 剣に歌に、夢が翔ぶ!」の衣装も担当されました。当館でも令和2年の開館30周年を記念し「山口千代子 万葉衣装展」を開催しました。
また、奈良時代の服飾研究の基本図書である関根真隆『奈良朝服飾の研究(本文編・図録編)』(昭和49年・吉川弘文館)等を参考にしながら、正倉院宝物衣裳へのオマージュ作品も多数制作されています。
こうした先生の作品を、高岡市万葉歴史館では「山口千代子万葉衣装コレクション」として収蔵し、随時ご覧いただけるようにしています。また、感染症対策のため中断していますが、山口氏の万葉衣装を気軽に着て楽しんでいただけるよう、万葉衣裳体験を開催しています。
「山口千代子万葉衣装ファッションショー」 ライブ中継動画
高岡市万葉歴史館開館30周年記念「山口千代子 万葉衣装展」展示解説1