高岡市万葉歴史館
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越中万葉歌を読む

049回「めづらしき 君が来まさば 鳴けと言ひし」

2021年04月16日

すばらしい

あなたが来られたら

鳴け、と言っておいた

山ほととぎすよ、

なぜ来て鳴かないのか。

 

 

 

 

 

 

 

めづらしき 君(きみ)が来(き)まさば 鳴けと言ひし 山ほととぎす なにか来鳴(きな)かぬ

久米広縄(くめのひろなわ)(巻18・四〇五〇)

 

 天平二十年(七四八)三月二十五日(太陽暦の五月一日)、都からやって来た田辺福麻呂(たなべのさきまろ)を連れて布勢の水海(ふせのみずうみ)に出かけて来た時の歌です。

 前日におこなわれた宴会で福麻呂は、

藤波の 咲きゆく見れば ほととぎす 鳴くべき時に 近づきにけり(四〇四二)

藤の花が次々と咲いてゆくのを見ると、ほととぎすの鳴くべき時がとうとう近づいてきました。

とホトトギスの鳴き声を期待する歌を詠んでいます。

 広縄は、この歌に応えて、「めづらしき君」が来られたのにと福麻呂を誉め、鳴かないホトトギスを叱る歌を詠んで福麻呂の気持ちをなぐさめました。(新谷秀夫)

 

 

【さらに詳しく知りたい方へ】

高岡市万葉歴史館編

『越中万葉を楽しむ 越中万葉かるた100首と遊び方』

笠間書院・2014年刊

フルカラーA5判・128頁・定価1000円

 

 

※本文の中で引用した歌の読み下し文は、高岡市万葉歴史館編『越中万葉百科』(笠間書院)によります。