高岡市万葉歴史館
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(とやまけん たかおかし ふしきいちのみや)
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まんれきブログ

日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-

2025年01月27日
第32回 万葉びとの言霊(藤原茂樹)

神代(かみよ)より 言ひ伝て来(つてく)らく  そらみつ大和の国は 皇神(すめかみ)の 厳(いつく)しき国 言霊(ことだま)の 幸(さき)はふ国と  語り継ぎ 言ひ継がひけり(以下略)         巻五894 山上憶良   〔訳〕 神代の昔から  […]

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2024年12月30日
第31回 恋と命(藤原茂樹)

  恋ひ恋ひて 後(のち)も逢はむと 慰(なぐさ)もる 心しなくは 生きてあらめやも 巻十二・2904 作者未詳 (訳) 恋い焦がれて、いつかまた逢えるだろうと 自分を慰める 強い心をもたないと、とても生きていけそうにない      巻十二 […]

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2024年11月30日
第30回 大伯皇女の嘆きの地(藤原茂樹)

大津皇子の屍(かばね)を葛城(かづらき)の二上山に移し葬(はぶ)る時に、大伯皇女(おほおくのひめみこ)の哀(かな)しび傷(いた)みて作らす歌二首 うつそみの 人(ひと)なる我(われ)や 明日(あす)よりは 二上山(ふたがみやま)を 弟(いろと)と我(あ)が見む […]

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2024年10月30日
第29回 恋人たちの「ほどろ」(藤原茂樹)

  夜(よ)のほどろ 我(わ)が出(い)でて来れば 我妹子(わぎもこ)が 思(おも)へりしくし 面影(おもかげ)に見ゆ  巻四 754 大伴家持     訳) 夜の闇がわずかに溶けはじめた頃 私が別れて出てくると あなたが 思いに […]

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2024年09月30日
第28回 栗を食すくらし(藤原茂樹)

足柄(あしがら)の 箱根の山に 粟(あは)蒔(ま)きて  実(み)とはなれるを あはなくも怪(あや)し 巻十四・3364  (作者不明) 〔現代語訳〕足柄の箱根の山に 粟を蒔いて 無事に実ったというのに 逢わないなんておかしいな      粟を蒔くの […]

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2024年08月30日
第27回 ハスとイモの葉(藤原茂樹)

蓮葉(はちすは)は かくこそあるもの 意吉麻呂(おきまろ)が 家なるものは うもの葉にあらし   巻十六3826   長意吉麻呂 (ながのおきまろ)   〔現代語訳〕 蓮の葉とは かくも立派なものであるのか はて、だとすると、意吉麻呂の家に生えている […]

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2024年07月30日
第26回 百合のいろいろ(藤原茂樹)

油火(あぶらひ)の 光に見ゆる 我(わ)が縵(かづら) さ百合の花の 笑(ゑ)まはしきかも 巻十八4086 大伴家持   〔現代語訳〕 油火の 光にゆらゆら輝いて見える あなたにもらった私の花縵 さ百合の花の なんとも微笑(ほほえ)ましいことよ   […]

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2024年06月30日
第25回 身を削る恋(藤原茂樹)

恋にもそ 人は死にする 水無瀬川(みなせがは) 下(した)ゆ我痩(あれや)す 月に日に異(け)に 巻四・598 笠女郎(かさのいらつめ) 〔現代語訳〕 恋のために 人は死にもするようです 水無瀬川の 見えない水のように 人知れず私は 痩せ衰えてゆきます 月日を […]

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2024年05月30日
第24回 梓弓爪引く夜音(藤原茂樹)

梓弓(あづさゆみ) 爪引(つまび)く夜音(よおと)の 遠音(とほおと)にも 君の御幸(みゆき)を 聞かくし良しも  巻四・531 海上女王(うなかみのおほきみ)     〔現代語訳〕 お伴の者が魔除けに梓の弓を 爪ではじく夜の音 その遠い弦 […]

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2024年05月03日
第23回 草木の縵(かずら)(藤原茂樹)

はね縵(かづら) 今する妹(いも)が うら若み 笑(ゑ)みみ怒(いか)りみ 付けし紐解(ひもと)く (巻・十一・2627作者未詳) 〔現代語訳〕 羽飾りのついた縵を いま頭に巻いている娘は 初々しく世馴れないものだから 笑ってみたり すねて怒ってみたりして つ […]

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