まんれきブログ
越中万葉歌を読む
- 2021年01月15日越中万葉歌を読む
- 036回「雄神河 紅にほふ 娘子らし」

雄神河(おがみがわ)が 一面に赤く照り映(は)えている。 あでやかな少女たちが 葦付(あしつき)を採(と)るために。 瀬に立っているらしい。
- 2021年01月08日越中万葉歌を読む
- 035回「越の海の 信濃の浜を 行き暮らし」

越の海の 信濃の浜を 一日中歩き続けても余る こんな長い春の日でさえ、 ツマのことを忘れてしまったりするものか。 片時も忘れられないものだ。
- 2020年12月25日越中万葉歌を読む
- 034回「天ざかる 鄙とも著く ここだくも」

(あまざかる) 鄙の地だけのことはあって、 こんなにも 恋しさがつのるのか。 心なごむ日とてなく。
- 2020年12月18日越中万葉歌を読む
- 033回「みなと風 寒く吹くらし 奈呉の江に」

河口の風が 寒々と吹いているらしい。 奈呉の江で、 夫婦で呼び合いながら、 鶴がたくさん鳴いている。
- 2020年12月11日越中万葉歌を読む
- 032回「東の風 いたく吹くらし 奈呉の海人の」

あゆの風が 激しく吹いているらしい。 奈呉の海人たちの 釣りをする小さな舟が 漕ぎ進むのが、高波のあいだから見え隠れしている。
- 2020年12月04日越中万葉歌を読む
- 031回「婦負の野の すすき押し並べ 降る雪に」

婦負の野の すすきを押し倒すばかりに 降り積もる雪の中で 宿を借りる今日は、 ひとしお悲しく感じられる。
- 2020年11月26日越中万葉歌を読む
- 030回「心には 緩ふことなく 須加の山」

心の中では 惜しむ気持ちが薄らがないまま、 (すかのやま) すっかりしょげ返って 恋い慕い続けることになるのであろうか。
- 2020年11月18日越中万葉歌を読む
- 029回「矢形尾の 鷹を手に据ゑ 三島野に」

矢形尾の 鷹を手に据えて 三島野で 狩りをしない日が積もり、 もう一月が経ってしまった。
- 2020年11月12日越中万葉歌を読む
- 028回「うら恋し わが背の君は なでしこが」

心恋しい あなたは、 なでしこの 花であればよいのに。 そうしたら、毎朝毎朝見られるのに。
- 2020年11月05日越中万葉歌を読む
- 027回「玉桙の 道の神たち 賂はせむ」

(たまほこの) 道の神さまたちよ、 お供えは十分にしましょう。 わたしが恋しく思っているこのお方を、 見守ってください。