まんれきブログ
越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
…夕月夜 かそけき野辺に はろはろに 鳴くほととぎす… …夕月の光のかすかに照らす野辺に はるかに遠く鳴くほととぎすが… 家持はホトトギスをことのほか愛しました。ホトトギスの歌は『万葉集』に150首ほどあり、動物の中では最も詠まれ […]
- 2022年07月20日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 109回 大伴家持の長歌・その9~越前の池主へ~
…君と我れと 隔てて恋ふる 礪波山… …あなたとわたしとを 隔てて恋しく思わせる礪波山… 越中時代の家持にとって、部下で同族の池主の存在はとても大きなものでした。2人は都にいた時からすでに知り合いでしたが、ともに国司として越中で再会したことで仲 […]
- 2022年07月13日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 108回 大伴家持の長歌・その8~雨乞いの歌~
…雨降らず 日の重なれば 植ゑし田も まきし畑も 朝ごとに 凋み枯れ行く… …雨の降らない日が重なってゆくので 植えた田もまいた畑も 朝ごとにしぼんで枯れてゆく。 多量の水を必要とする稲作にとって雨不足は深刻な被害をもたします。古くから人々は必死になって雨乞い […]
- 2022年07月06日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 107回 大伴家持の長歌・その7~不実な部下をさとす~
…さどはせる 君が心の すべもすべなさ …迷っている君の心の、 なんともどうしようもないことよ。 国司は都から派遣されますが、その際、単身赴任の場合が多かったようです。ですから、現地の女性とねんごろになってしまうケースがあったようで、勅で禁止されることもありま […]
- 2022年06月29日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 106回 大伴家持の長歌・その6~出金詔書を読んで~
…海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の 辺にこそ死なめ 顧みは せじと言立て… …「海を行くのなら水浸しの屍、 山を行くのなら草むした屍をさらしても、 大君のそばで死のう。 矢わが身を顧るようなことはしない」と誓ってきた… &nbs […]
- 2022年06月22日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 105回 大伴家持の長歌・その5~逃げた鷹を夢に見る~
…鷹はしも あまたあれども 矢形尾の 我が大黒に… …鷹はまあたくさんいるけれど、 矢形尾のわが大黒に… 鷹狩の歴史は古く、『日本書紀』仁徳天皇条に百済より伝わったという記述があります。その当否はともかく、古代では天皇をはじめとする貴族の遊びとして盛んに […]
- 2022年06月15日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 104回 大伴家持の長歌・その4~「立山の賦」~
…すめ神の うしはきいます 新川(にひかは)の その立山に… …国の神が鎮座されている 新川郡のその名も高き立山には… 富山県南東部に延びる北アルプスの連峰が立山です。大汝山・雄山・劔岳などの3000m級の山々が連なり、雨晴海岸から眺め […]
…あり通(がよ)ひ いや年のはに 思ふどち かくし遊ばむ 今も見るごと …通いつづけてずっと毎年、 気心知れた仲間同士、こうして遊ぼう。今見ながら楽しんでいるように。 布勢の水海とは、現在の氷見市仏生寺川流域に広がっていた潟湖のことです。江 […]
- 2022年06月01日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 102回 大伴家持の長歌・その2~「二上山の賦」~
…神(かむ)からや そこば貴(たふと)き 山からや 見が欲しからむ… …この山の神性ゆえにあんなにも貴いのだろうか、 山のもつ品格のせいで見たくてならないのだろうか… 高岡市と氷見市にまたがる二上山(ふたがみやま)。標高274メートルと […]
- 2022年05月25日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 101回 大伴家持の長歌・その1~弟を哀しむ~
…はしきよし 汝弟の命(なおとのみこと) なにしかも 時しはあらむを… …いとしいわが弟よ、いったいどういうことだ、 死ぬべき時もいつだってあろうに… 今回から10回にわたって、越中万葉の中から長歌の名歌を取り上げます。 大伴家持は天 […]