まんれきブログ -
研究員ブログ
先人の思いが消える(関隆司)
2026年05月14日
新しい小学校の新築工事がはじまりました
工事のためにさまざまな施設が壊されました。壊した施設の場所に新しく建つのではありません。大規模な工事のために、周辺を更地にしなければならないのです。それが現代の大型工事です
国宝になった寺でも、工事のための大型重機を通すため、桜の樹が切られ、もとにはもどりませんでした
大伴家持の歌につぎのような表現があります
杉の野に さ躍る雉 いちしろく 音にしも鳴かむ 隠り妻かも
越中国守館で詠まれた歌ですが、現代の伏木に杉林はありません。でも伏木で詠まれた歌だから伏木に歌碑を建てたいと考えた人々がいました
ここからは、史料も記録もない、私がうたげの席で酩酊しながら聞いた話です
どこまでが真実で、どこまでが本当に聞いた話なのかは、もうわかりません
そんな話をここに残しておこうと思います
伏木に杉林が無いから、杉を植林しました。これくらいなら「杉野」といえるくらいではないかと考えた数を植えました
それから20年待って、そろそろ杉野と呼んでも笑われないだろうと思えた頃、そこに家持の歌を刻んだ歌碑を建てました。平成13年のことです。2001年。今から四半世紀前の話です
2026年5月。すべての杉が抜かれてしまいました
本当にびっくりしました
プールも弓道場も壊してしまいました。杉なんかなんということも無いのでしょう
もうすぐこの歌碑も動かされてしまうのでしょうか
あたらしい小学校がうまれる時、私は、この歌碑をどんな思いでうけとめることになるのでしょう


