高岡市万葉歴史館
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越中万葉歌を読む

023回「奈呉の海の 沖つ白波 しくしくに」

2020年10月18日

奈呉の海の

沖に立つ波のように、

しきりに

思い出されることでしょう。

旅立ってお別れしてしまったならば。

 

 

 

 

 

 

 

奈呉(なご)の海の 沖つ白波 しくしくに 思ほえ むかも 立ち別れなば

大伴家持(巻17・三九八九)

 

 

 天平十九年(七四七)四月二十日(太陽暦の六月六日)に、大目(だいさかん・国司の第四等官)の秦八千島(はだのやちしま)の館で、税帳使として上京することになった家持の送別会を催したときに、家持が詠んだ歌です。

 「しくしく」は「しきりに」の意で、繰り返ししきりに寄せる波の様子から思いがしきりであることを導く二句の序詞です。

 巻17・三九五六の左注によると、八千島の官舎から奈呉の海を望むことができたようです。

 現在、庄川河口東側の新湊漁港に「奈呉ノ浦」の名が残されていますが、万葉の頃の奈呉の海は、高岡市伏木から新湊一帯にかけての海をいいました。(関 隆司)

やちしまくん(高岡市万葉歴史館「越中万葉の仲間たち」より)

高岡市万葉歴史館制作「越中万葉の仲間たち」

放生津八幡宮・奈呉の浦の碑

 

 

【さらに詳しく知りたい方へ】

高岡市万葉歴史館編

『越中万葉を楽しむ 越中万葉かるた100首と遊び方』

笠間書院・2014年刊

フルカラーA5判・128頁・定価1000円

 

 

※本文の中で引用した歌の読み下し文は、高岡市万葉歴史館編『越中万葉百科』(笠間書院)によります。