高岡市万葉歴史館
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越中万葉歌を読む

025回「片貝の 河の瀬清く 行く水の」

2020年10月25日

片貝の

川の瀬も清く

流れゆく水のように、

絶えることなく

ずっと通い続けてこの山を見よう。

 

 

 

 

 

 

 

片貝(かたかひ)の 河の瀬清(きよ)く 行(ゆ)く水の 絶ゆることなく あり通(がよ)ひ見む

大伴家持(巻17・四〇〇二)

 

 

 第24回の歌と同じく、天平十九年(七四四)四月二十七日に家持が詠んだ「立山の賦(たちやまのふ)」の反歌の一首です。

 片貝川(かたかいがわ)の清らかな流れが止まることのないように、行くのを絶やすことなく何度も「立山(たちやま)」を見に行こうと歌い、家持は立山のすばらしさを表そうとしています。

 ところで、家持の部下だった大伴池主(いけぬし)の歌に、「落ち激(おちたぎ)つ片貝河(高い山々からほとばしり落ちる片貝川)」(巻17・四〇〇五) とあるように片貝川は急流で、けっして「清く行く水」という川ではありません。

 この時まだ家持は実際にこの川を見てなかったのかもしれません。(新谷秀夫)

 

冨田利雄「片貝川」(高岡市万葉歴史館蔵)

 

 

【さらに詳しく知りたい方へ】

高岡市万葉歴史館編

『越中万葉を楽しむ 越中万葉かるた100首と遊び方』

笠間書院・2014年刊

フルカラーA5判・128頁・定価1000円

 

 

※本文の中で引用した歌の読み下し文は、高岡市万葉歴史館編『越中万葉百科』(笠間書院)によります。