高岡市万葉歴史館
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まんれきブログ -
越中万葉歌を読む

057回「三島野に 霞たなびき しかすがに」

2021年06月12日

三島野に

霞みがたなびいていて、

それなのに

昨日も今日も

雪が降りつづいています。

 

 

 

 

 

 

 

三島野に 霞たなびき しかすがに 昨日も 今日も 雪は降りつつ

大伴家持(巻18・四〇七九)

 

 天平二十一年(七四九)三月十六日(太陽暦の四月十一日)の大伴家持の歌です。

 前日に、かつての部下で、当時越前国掾(じよう)(第三等官)となっていた大伴池主(いけぬし)から歌が送られてきました。それに応じた四首の中の一首です。

 題詞に「さらに矚目(しょくもく)して」とあるので、眼前の風景を詠んだ歌とわかります。

 三句目の「しかすがに」は、それはそれとして、それなのに、の意で、この歌の場合は、奈良であれば春の訪れを感じさせる霞がたなびいているのに、越中では連日雪が降っていることを感慨深く思っていることを示します。(関隆司)

 

冨田利雄「三島野」(高岡市万葉歴史館蔵)

 

【さらに詳しく知りたい方へ】

高岡市万葉歴史館編

『越中万葉を楽しむ 越中万葉かるた100首と遊び方』

笠間書院・2014年刊

フルカラーA5判・128頁・定価1000円

 

 

※本文の中で引用した歌の読み下し文は、高岡市万葉歴史館編『越中万葉百科』(笠間書院)によります。