高岡市万葉歴史館
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越中万葉歌を読む

010回「ぬばたまの 夜はふけぬらし 玉くしげ」

2020年09月06日

(ぬばたまの)

夜はすっかり更けたようです。

(玉くしげ)

二上山に

月も傾いてきました。

 

 

 

 

 

 

ぬばたまの 夜(よ)はふけぬらし 玉くしげ 二上山(ふたがみやま)に 月傾(かたぶ)きぬ

土師道良(はにしのみちよし)(巻17・三九五五)

 

 八月七日の夜の宴での最後の歌です。

 作者土師道良の役職は、「史生(ししょう)」という記録をつかさどる役でした。この時の歌の記録係も道良だったかも知れません。

 「ぬばたまの」は、夜や黒・黒髪などに掛かる枕詞(まくらことば)、「玉くしげ」は、「二上山」のフタに掛かる枕詞です。クシゲは櫛箱(クシゲ)の意で、櫛箱にはフタ(蓋)があるから掛かります。

 二上山は家持の館の西にある山で、月が西に傾くのは時間の経過を意味します。月明かりのもと開かれていた宴も、月も傾き、そろそろ終わりの時間となりましたという宴のお開きを告げる歌です。(坂本信幸)

 

はせG77さんによる写真ACからの写真を使用

 

 

【さらに詳しく知りたい方へ】

高岡市万葉歴史館編

『越中万葉を楽しむ 越中万葉かるた100首と遊び方』

笠間書院・2014年刊

フルカラーA5判・128頁・定価1000円

 

 

※本文の中で引用した歌の読み下し文は、高岡市万葉歴史館編『越中万葉百科』(笠間書院)によります。