高岡市万葉歴史館
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越中万葉歌を読む

029回「矢形尾の 鷹を手に据ゑ 三島野に」

2020年11月18日

矢形尾の

鷹を手に据えて

三島野で

狩りをしない日が積もり、

もう一月が経ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

矢形尾(やかたを)の 鷹(たか)を手に据(す)ゑ 三島野に 狩らぬ日(ひ)まねく 月そ経にける

大伴家持(巻17・四〇一二)

 

 

 天平十九年(七四七)九月二十六日(太陽暦の十一月七日)に詠んだ「放逸せし鷹を思ひ、夢に見て感悦して作る」長歌一首(四〇一一)、短歌四首(四〇一二~五)のうちの第一短歌です。

 「矢形尾」とは、尾の模様や形が矢羽のようであること。家持は、布勢の水海(ふせのみずうみ)のある古江村(ふるえむら)で蒼鷹(あおたか)を捕獲し、「大黒(おおぐろ)」と名付け、白い鈴をつけて可愛がっていたのですが、ある日飼育係が逃がしてしまったのです。

 三島野は、家持達が鷹狩りをした地で、平安時代に編纂された『和名類聚抄』に射水郡に属するとあります。飼育係は、そこで訓練をしていて逃がしてしまったようです。(関 隆司)

 

 

【さらに詳しく知りたい方へ】

高岡市万葉歴史館編

『越中万葉を楽しむ 越中万葉かるた100首と遊び方』

笠間書院・2014年刊

フルカラーA5判・128頁・定価1000円

 

 

※本文の中で引用した歌の読み下し文は、高岡市万葉歴史館編『越中万葉百科』(笠間書院)によります。