高岡市万葉歴史館
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越中万葉歌を読む

030回「心には 緩ふことなく 須加の山」

2020年11月26日

心の中では

惜しむ気持ちが薄らがないまま、

(すかのやま)

すっかりしょげ返って

恋い慕い続けることになるのであろうか。

 

 

 

 

 

 

 

心には 緩(ゆる)ふことなく 須加(すか)の山 すかなくのみや 恋ひ渡りなむ

大伴家持(巻17・四〇一五)

 

 

 天平十九年(七四七)九月二十六日(太陽暦の十一月七日)に詠んだ「放逸せし鷹を思ひ、夢に見て感悦して作る」長歌一首(四〇一一)、短歌四首(四〇一二~五)のうちの第四短歌です。

 この歌の「須加の山」は、同音を利用したスカナシの枕詞です。この山の名前は、正倉院に残る「越中国射水郡須加開田地図」にも見えていて、現在の高岡市国吉地内の西山と呼ばれる一帯の山に比定されています。

 三島野で逃げた家持の鷹は、二上山の方向へ飛び去ったようですが、三島野から見ると、須加山の向こうが鷹を最初に捕獲した旧江村(ふるえむら)になるのです。(関 隆司)

 

 

【さらに詳しく知りたい方へ】

高岡市万葉歴史館編

『越中万葉を楽しむ 越中万葉かるた100首と遊び方』

笠間書院・2014年刊

フルカラーA5判・128頁・定価1000円

 

 

※本文の中で引用した歌の読み下し文は、高岡市万葉歴史館編『越中万葉百科』(笠間書院)によります。