高岡市万葉歴史館
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まんれきブログ -
越中万葉歌を読む

031回「婦負の野の すすき押し並べ 降る雪に」

2020年12月04日

婦負の野の

すすきを押し倒すばかりに

降り積もる雪の中で

宿を借りる今日は、

ひとしお悲しく感じられる。

 

 

 

 

 

 

 

婦負(めひ)の野の すすき押し並(な)べ 降る雪に 宿借(やどか)る今日し かなしく思(おも)ほゆ

高市黒人(たけちのくろひと)作、三国五百国(みくにのいおくに)伝誦(でんしょう)

(巻17・四〇一六)

 

 

 大伴家持が、三国五百国(みくにのいおくに)から聞き書きした高市黒人の歌です。

 高市黒人は、家持より、四、五十年前に活躍した人物で、「旅の歌人」と称され、旅先で旅愁を漂わせる歌を多く作りました。家持がこの歌を伝え聞いたとき、すでにいつ作られたのかはわからなくなっていました。

 黒人は、おそらく、仕事で越中の婦負郡を通過する時ににひどい降雪に遭遇したのだと想像されますが、なぜ婦負郡を通ったのかはわかっていません。また、三国五百国もどのような人物は不明で、家持がこの歌をどこで聞いたのかも不明です。(関 隆司)

 

 

【さらに詳しく知りたい方へ】

高岡市万葉歴史館編

『越中万葉を楽しむ 越中万葉かるた100首と遊び方』

笠間書院・2014年刊

フルカラーA5判・128頁・定価1000円

 

 

※本文の中で引用した歌の読み下し文は、高岡市万葉歴史館編『越中万葉百科』(笠間書院)によります。