高岡市万葉歴史館
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越中万葉歌を読む

045回「玉くしげ いつしか明けむ 布勢の海の」

2021年03月17日

(たまくしげ)

いつになったら夜が明けるのだろう。

布勢(ふせ)の海の

浦を行きながら

玉を拾いたいのに。

 

 

 

 

 

 

 

玉くしげ いつしか明けむ 布勢(ふせ)の海の 浦を行(ゆ)きつつ 玉も拾(ひり)はむ

田辺福麻呂(たなべのさきまろ)(巻18・四〇三八)

 

 布勢の水海(ふせのみずうみ・現在の氷見市にあった湖)はすばらしい場所なのかと歌で質問した福麻呂に対して、大伴家持は「見飽きることはありません」と答えました(第44回)。

 それを聞いた福麻呂が、早く夜が明けて水海に出かけ、「玉(きれいな石、宝石)」を拾いたいと詠んだ歌です。

 「玉くしげ」とは「玉」で飾られた櫛(くし)を入れる箱「くしげ」のことで、箱にはかならず「ふた」があるので「二上山(ふたがみやま)」の枕詞として使われたりもしますが、ここは「ふた」はかならず開けるので「(夜が)明ける」の枕詞として使われています。(新谷秀夫)

 

二上山より布勢の円山を望む(高岡市万葉歴史館撮影)

 

【さらに詳しく知りたい方へ】

高岡市万葉歴史館編

『越中万葉を楽しむ 越中万葉かるた100首と遊び方』

笠間書院・2014年刊

フルカラーA5判・128頁・定価1000円

 

 

※本文の中で引用した歌の読み下し文は、高岡市万葉歴史館編『越中万葉百科』(笠間書院)によります。