まんれきブログ
日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 2025年10月29日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第41回 麻を抱く人(藤原茂樹)

上野(かみつけの)の 安蘇の麻束(あさたば)を ぐいと引き寄せ抱くように抱いて共寝(ともね)をするが、満ち足りないのを ああ、俺はどうしたらいいのだ 上野(かみつけの) 安蘇(あそ)のま麻群(そむら) かき抱(むだ)き 寝(ぬ)れど飽(あ)かぬを あどか我(あ […]
- 2025年09月30日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第40回 采女(うねめ)の役割と歴史(藤原茂樹)
どうだ。このおれはな 安見児を手に入れたぞ 誰もが皆 手に入れかねているという評判の 安見児を、おれは手に入れたぞ 我(われ)はもや 安見児(やすみこ)得(え)たり 皆人(みなひと)の 得(え)かてにすといふ 安見児得たり 巻 […]
- 2025年08月30日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第39回 しぐれの雨 仏前唱歌の音色(藤原茂樹)
万葉時代に楽の音を感じさせる歌はめずらしく、琴の音とともに合唱団によって歌われる形態がこの時代にあったことも驚きであり、その歌が奈良時代には短歌形式のものであったというのも貴重な記録である。 聖武天皇の后(きさき)であった光明皇后(こうみょう […]
- 2025年07月28日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第38回 禁止令まで出た双六の流行(藤原茂樹)
うちの女房の 額に生えてる 双六盤(すごろくばん)の 大きな牡牛(おうし)の 鞍(くら)の上にある瘡(かさぶた) ******************* 我妹子(わぎもこ)が 額(ひたひ)に生(お)ふる 双六(すぐろく)の 牡(ことひ)の牛の 鞍(くら)の […]
- 2025年06月29日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第37回 日本の七夕の淵源(藤原茂樹)
彦星が 妻の織姫を迎へる舟を 漕ぎ出したようだ 天の川原に 霧が立っているのは その水しぶきに違いない ******************* 彦星(ひこほし)し 妻(つま)迎へ舟 漕ぎ出(づ)らし 天(あま)の川原に 霧の立てるは 巻八・一五二七 山上憶良 […]
- 2025年05月30日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第36回 家持と真珠(藤原茂樹)
一人寂しくしている私の妻の 心のなぐさめに 贈ってやろうと思うから はるか沖合の島の 真珠がぜひ欲しいものだ ************************ 我妹子(わぎもこ)が 心なぐさに 遣(や)らむため 沖つ島なる 白玉(しらたま)もがも 巻十八 […]
よいものは どこでも飽きられないのに まあ何だってまた 坂門の家のあの子は 角の家の、醜い男なんかに くっついてしまったのだろう ************************ うましもの いづくも飽(あ)かじを 坂門(さかと)らが 角(つの)ふくれに […]
- 2025年03月30日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第34回 竹取の翁と九人の乙女たち(藤原茂樹)
万葉びとの好きな物語の一類型に、ある人物が出かけた先で、天女や仙女に逢ってかかわりを楽しむ筋の物語がある。天女と出会うことや、浦島児のことや、漢詩文の影響が濃い松浦河に遊ぶ序と歌がある。万葉集巻十六に、昔竹取の翁がいたと昔話風にはじめる長歌がある。当時のあり […]
- 2025年03月02日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第33回 万葉人の死生観(藤原茂樹)
青々と旗のように 茂る木幡の山の上を 大君の魂が抜け出して 行きつ戻りつすることは 目には見えるけれど 直には、お逢いできないことだ ---*---*---*---*--- 一書に曰く、近江天皇の聖躰不豫(みやまひ)したまひて、御病急(みやまひには)かなる時に […]
- 2025年01月27日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第32回 万葉びとの言霊(藤原茂樹)
神代(かみよ)より 言ひ伝て来(つてく)らく そらみつ大和の国は 皇神(すめかみ)の 厳(いつく)しき国 言霊(ことだま)の 幸(さき)はふ国と 語り継ぎ 言ひ継がひけり(以下略) 巻五894 山上憶良 〔訳〕 神代の昔から […]
