まんれきブログ
日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
よいものは どこでも飽きられないのに まあ何だってまた 坂門の家のあの子は 角の家の、醜い男なんかに くっついてしまったのだろう ************************ うましもの いづくも飽(あ)かじを 坂門(さかと)らが 角(つの)ふくれに […]
- 2025年03月30日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第34回 竹取の翁と九人の乙女たち(藤原茂樹)

万葉びとの好きな物語の一類型に、ある人物が出かけた先で、天女や仙女に逢ってかかわりを楽しむ筋の物語がある。天女と出会うことや、浦島児のことや、漢詩文の影響が濃い松浦河に遊ぶ序と歌がある。万葉集巻十六に、昔竹取の翁がいたと昔話風にはじめる長歌がある。当時のあり […]
- 2025年03月02日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第33回 万葉人の死生観(藤原茂樹)

青々と旗のように 茂る木幡の山の上を 大君の魂が抜け出して 行きつ戻りつすることは 目には見えるけれど 直には、お逢いできないことだ ---*---*---*---*--- 一書に曰く、近江天皇の聖躰不豫(みやまひ)したまひて、御病急(みやまひには)かなる時に […]
- 2025年01月27日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第32回 万葉びとの言霊(藤原茂樹)

神代(かみよ)より 言ひ伝て来(つてく)らく そらみつ大和の国は 皇神(すめかみ)の 厳(いつく)しき国 言霊(ことだま)の 幸(さき)はふ国と 語り継ぎ 言ひ継がひけり(以下略) 巻五894 山上憶良 〔訳〕 神代の昔から […]
- 2024年12月30日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第31回 恋と命(藤原茂樹)

恋ひ恋ひて 後(のち)も逢はむと 慰(なぐさ)もる 心しなくは 生きてあらめやも 巻十二・2904 作者未詳 (訳) 恋い焦がれて、いつかまた逢えるだろうと 自分を慰める 強い心をもたないと、とても生きていけそうにない 巻十二 […]
- 2024年11月30日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第30回 大伯皇女の嘆きの地(藤原茂樹)

大津皇子の屍(かばね)を葛城(かづらき)の二上山に移し葬(はぶ)る時に、大伯皇女(おほおくのひめみこ)の哀(かな)しび傷(いた)みて作らす歌二首 うつそみの 人(ひと)なる我(われ)や 明日(あす)よりは 二上山(ふたがみやま)を 弟(いろと)と我(あ)が見む […]
- 2024年10月30日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第29回 恋人たちの「ほどろ」(藤原茂樹)

夜(よ)のほどろ 我(わ)が出(い)でて来れば 我妹子(わぎもこ)が 思(おも)へりしくし 面影(おもかげ)に見ゆ 巻四 754 大伴家持 訳) 夜の闇がわずかに溶けはじめた頃 私が別れて出てくると あなたが 思いに […]
- 2024年09月30日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第28回 栗を食すくらし(藤原茂樹)

足柄(あしがら)の 箱根の山に 粟(あは)蒔(ま)きて 実(み)とはなれるを あはなくも怪(あや)し 巻十四・3364 (作者不明) 〔現代語訳〕足柄の箱根の山に 粟を蒔いて 無事に実ったというのに 逢わないなんておかしいな 粟を蒔くの […]
- 2024年08月30日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第27回 ハスとイモの葉(藤原茂樹)

蓮葉(はちすは)は かくこそあるもの 意吉麻呂(おきまろ)が 家なるものは うもの葉にあらし 巻十六3826 長意吉麻呂 (ながのおきまろ) 〔現代語訳〕 蓮の葉とは かくも立派なものであるのか はて、だとすると、意吉麻呂の家に生えている […]
- 2024年07月30日日めくり万葉集ブログ-万葉からMANYOへ-
- 第26回 百合のいろいろ(藤原茂樹)

油火(あぶらひ)の 光に見ゆる 我(わ)が縵(かづら) さ百合の花の 笑(ゑ)まはしきかも 巻十八4086 大伴家持 〔現代語訳〕 油火の 光にゆらゆら輝いて見える あなたにもらった私の花縵 さ百合の花の なんとも微笑(ほほえ)ましいことよ […]