まんれきブログ
越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 2021年02月11日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 040回「之乎路から 直越え来れば 羽咋の海」

之乎路(しおじ)の山道を まっすぐに越えてくると、 羽咋(はくい)の海は 今まさに朝凪(あさなぎ)している。 船の櫂(かい)でもあったらよいのに。
- 2021年02月04日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 039回「立山の 雪し来らしも 延槻の」

立山(たてやま)の 雪が溶(と)けて流れてきたらしい。 延槻河(はいつきがわ)の 渡り瀬で、 ふえた水かさであぶみまでも水に濡らした。
- 2021年01月30日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 038回「婦負河の 速き瀬ごとに 篝さし」

婦負河(めひがわ)の 流れの速い瀬ごとに、 かがり火をたいて、 たくさんの官人(かんじん)たちが 鵜飼(うかい)を楽しんでいる。
- 2021年01月22日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 037回「鸕坂河 渡る瀬多み この我が馬の」

鸕坂川(うさかがわ)には 渡る瀬がいくつも流れているので、 このわたしの乗る馬の 足がかきあげる水しぶきで、 着物がすっかり濡れてしまった。
- 2021年01月15日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 036回「雄神河 紅にほふ 娘子らし」

雄神河(おがみがわ)が 一面に赤く照り映(は)えている。 あでやかな少女たちが 葦付(あしつき)を採(と)るために。 瀬に立っているらしい。
- 2021年01月08日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 035回「越の海の 信濃の浜を 行き暮らし」

越の海の 信濃の浜を 一日中歩き続けても余る こんな長い春の日でさえ、 ツマのことを忘れてしまったりするものか。 片時も忘れられないものだ。
- 2020年12月25日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 034回「天ざかる 鄙とも著く ここだくも」

(あまざかる) 鄙の地だけのことはあって、 こんなにも 恋しさがつのるのか。 心なごむ日とてなく。
- 2020年12月18日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 033回「みなと風 寒く吹くらし 奈呉の江に」

河口の風が 寒々と吹いているらしい。 奈呉の江で、 夫婦で呼び合いながら、 鶴がたくさん鳴いている。
- 2020年12月11日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 032回「東の風 いたく吹くらし 奈呉の海人の」

あゆの風が 激しく吹いているらしい。 奈呉の海人たちの 釣りをする小さな舟が 漕ぎ進むのが、高波のあいだから見え隠れしている。
- 2020年12月04日越中万葉歌を読む~越中万葉かるたの世界~
- 031回「婦負の野の すすき押し並べ 降る雪に」

婦負の野の すすきを押し倒すばかりに 降り積もる雪の中で 宿を借りる今日は、 ひとしお悲しく感じられる。