高岡市万葉歴史館
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(とやまけん たかおかし ふしきいちのみや)
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まんれきブログ

まんれきブログ記事一覧

2023年10月15日
第11回 大伴家持の造酒歌(坂本信幸)

  酒を造る歌一首 中臣(なかとみ)の 太祝詞言(ふとのりとごと) 言ひ祓(はら)へ 贖(あか)ふ命も 誰(た)がために汝(なれ) (巻17・四〇三一) 〔原文〕 奈加等美乃(なかとみの) 敷刀能里等其等(ふとのりとごと) 伊比波良倍(いひはらへ)  […]

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2023年09月30日
第10回 百代草で父母の長寿を祈る(藤原茂樹)

  父母(ちちはは)が 殿の後(しりへ)の ももよ草 百代(ももよ)出でませ わが来(きた)るまで 巻二十・四三二六 遠江国の防人生壬部足国(みふべのたりくに)    (現代語訳) 父と母が住む屋敷の裏手に生える百代草(ももよぐさ)その名のように長寿 […]

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2023年09月20日
第9回 兎ねらはり(藤原茂樹)

  等夜(とや)の野に 兎(をさぎ)ねらはり をさをさも 寝なへ児故に 母(はは)にころはえ     巻十四・3529    (現代語訳) 等夜の野にうさぎを狙うではないけれど おさおさ ろくに共寝もできないあの娘のために おっかさんにこっぴどく叱ら […]

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2023年09月10日
第8回 軍王の、山を見て作る歌(坂本信幸)

  讃岐国(さぬきのくに)の   安益郡(あやのこほり)に   幸(いでま)す時に、   軍王(いくさのおほきみ)、   山を見て作る歌 霞立つ 長き春日(はるひ)の 暮れにける わづきも知らず むら肝(きも)の 心を痛み ぬえこ鳥 うら嘆(な)け居(を)れば […]

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2023年08月30日
第7回 ほととぎすの鳴き声と名前と(藤原茂樹)

信濃なる すがの荒野に ほととぎす 鳴く声聞けば 時過ぎにけり      信濃奈流 須我能安良野尓 保登等藝須 奈久許恵伎氣婆 登伎須疑尓家里 (巻十四3352) 信濃の国にある須我の荒野に泣き始めたほととぎす その声を聞くと もう時は過ぎ去ってしま […]

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2023年08月20日
第6回 うなぎの効用(藤原茂樹)

  痩せたる人を嗤咲(わら)ふ歌 石麻呂に 我(われ)物申す 夏痩せに 良しといふものそ 鰻(むなぎ)捕(と)り喫(め)せ     巻十六3853 大伴家持     石麻呂殿に私がものを申そう 夏痩せに効果てきめんと云うことですぞ 鰻を捕っ […]

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2023年08月10日
第5回 巻一・三番の舒明天皇が宇智野に遊猟する時に、中皇命が間人老に献らせた歌(坂本信幸)

やすみしし 我が大君の 朝(あした)には 取り撫(な)でたまひ 夕(ゆふへ)には い寄り立たしし みとらしの 梓(あづさ)の弓の 中弭(なかはず)の 音すなり 朝狩に 今立たすらし 夕狩に 今立たすらし みとらしの 梓の弓の 中弭の 音すなり   & […]

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2023年07月30日
第4回 「をつ」ということば(藤原茂樹)

  天橋(あまばし)も 長くもがも 高山も 高くもがも 月読(つくよみ)の 持てるをち水 い取り来て 君に奉(まつ)りて  をちえてしかも (巻十三3245)     天橋文 長雲鴨 高山文 高雲鴨 月夜見乃 持有越水 伊取来而  […]

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2023年07月20日
第3回 巻一・二番の舒明天皇の香具山での望国歌について(坂本信幸)

  大和には 群山(むらやま)あれど とりよろふ 天の香具山(あめのかぐやま) 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙(けぶり)立ち立つ 海原は かまめ立ち立つ うまし国そ 秋津島 大和の国は 舒明(じょめい)天皇(巻1・二)   〔現代語訳〕 […]

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2023年07月10日
第2回 恋結び(藤原茂樹)

  白たへの 我が紐の緒の 絶えぬ間に 恋結(こひむす)びせむ 逢はむ日までに (巻十一2854)  恋人同士が紐をむすび合うことを「恋結び」(2854)といった。解けないよう「真ゆすひ」(4427真結び)に結ぶ。すると、恋人が自分のものでいてくれる […]

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